「お客さま一人ひとりの好みに合った提案をしていくことは難しいです。ヒアリングしてお客さまの要望を汲みとったうえでおすすめしたいものを、道筋をたてながら提案していかないといけません」
「どう伝えればよかったのかと悩むこともあるけれど、好きだからもっと伝えたい。今はその気持ちのほうが強くなってきました」
お客さんには商品の良さだけでなく、使い心地を伝える。
「きもので店頭に立つ日は、家で着付けてから出勤して、歩いてみてここがもたつくんだとか。この草履はすごく履きやすいとか。そういう感覚を、よりリアルに伝えられないと」と石黒さん。
納得して買っていただくためにも、相手の気持ちを汲みとりながら、自分ごととして伝えていくことが大事なようです。
ふたたび森村さんに、どんな人に来てほしいか聞いてみます。
「販売スタッフにしても、お店を束ねていく店長にしても、お客さまを相手にする仕事だから一喜一憂することも多いです。課題を克服していくだけのガッツと粘り強さがないとつづかないですね」
WAKONで働く人はどうでしょう? 「基本となるのは同じで、相手の気持ちを尊重して、『こうなりたい』という気持ちを叶えてあげること。ただWAKONでは、特別な日に着るきものとして選んでくれる方も多くいます」
「いろんな想いを抱えてくる人の期待に応えていくことが求められますね。一方で、人生に寄り添うという意味で、やりがいもひとしおだと思います」
将来、京都店の店長になる方は? 「一人ではお店をつくることはできません。チームワークが大切になるので、スタッフを尊重しながら全体をまとめられるといいですね」
「それから京都店は本店であり唯一の旗艦店です。2階のギャラリーでは、きものやファッションが好きな人たちをつなぐようなイベントを行ってきました。責任感をもって、さらに企画・実行してほしいです」
「着飾ることは楽しいですからね」
取材中、ふとこぼれた言葉が印象的でした。
きものを着る楽しさを伝えて、相手を輝かせる。
それを仕事にしたいと思えたら、ブランドをつくる一員になれると思います。
(2017/03/14 後藤響子)
※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。
今日着たい、きもの / 日本仕事百貨
コンサルティング事例 有限会社 みさ和
「きものが着たくなる呉服店」をコンセプトに、呉服店をもっと気軽な場所にするべく、着物の「スリープライス」を打ち出した新小売業態「大塚呉服店」を立ち上げ。京都・八坂の塔の参道にある古い豆腐屋を改築し1号店をオープン。 お金が掛かりそうなイメージの強い呉服業界で、分かりやすい価格設定にしたことにより、お客さんに安心感を与え、ハードルの高さを払拭。その結果、ターゲットとする若いお客さんに良さが伝わり、催事などで実績を積み上げ、2013年にはルミネ新宿店、三宮店がオープン。呉服業界に旋風を巻き起こしています。
大塚呉服店
産地:兵庫県姫路市 アイテム:着物 年商:3億8000万円(2012. 今日着たい、きもの / 日本仕事百貨. 06)→3億7000万円(2016. 06) コンサルティング期間:2012. 04〜2012. 11 コンサルティング領域:経営/ブランド/商品/コミュニケーション プロデュース:山田遊 (method) ショップ・グラフィックデザイン:関祐介 コンサルタント:中川政七 アシスタント:吉池洋介 (中川政七商店)
有限会社 みさ和
兵庫県揖保郡太子町太田2221-1
079-277-5565
有限 会社 みさ 和 採用
「基本的には初心者のかたから、いわゆる熟練のかたまで対応できる商品を並べています。呉服屋って入りにくいですよね。なので、極力入りやすいお店を目指しています。商品などのセレクトに関しては、それぞれの店舗の店長に任せています。」
店長に任せる。それは、どうしてなのでしょうか? 着物の種まき / 日本仕事百貨. 「着物というものを着たり、一番体験しているのは、彼女たちですからね。そこに僕が、商品はこれで、このやり方で売ってっていうのはおかしいじゃないですか。」
スタッフたちが、一番着物にふれ、楽しんでいる存在でもある。
だからこそ、着物が好きという気持ちがあって、楽しめる人がいい。
そんなふうにお店を任されているのが店長の村上さん。お店づくりのことを伺います。
お店づくりで大切にしていることはありますか? 「初心者さんから少しステップアップするところまでの商品を中心に揃えて、ファッション感覚で着物を選んでもらうお店にしたいと強く思っていまして。どこの産地の着物、という商品価値をアピールするというより、こんな着物きてみたい!と思っていただけるように。そういうお手伝いを出来るお店にしたいなと思って店づくりに励んでいます。」
お店の中に入って見渡してみると、まるで別の部屋に入ったような、雰囲気が異なるテイストの着物がディスプレイされている。
こういうコーディネートやレイアウトは皆さんで考えるのですか? 「基本的にはスタッフ一人ひとりに任せています。最終的なチェックはわたしがしています。棚なども、自分たちで動かしますし、たまにある大工仕事なんかも基本自分たちでやります。着物で脚立に乗る、なんてこともあるんですよ(笑)。」
みんなで考え、お店をつくっていく。
店内を見回して、印象に残ったのがこのPOP。さまざまな商品が置いてあるけれど、POPが統一されているから商品がみやすかった。
「うちは初心者商品の幅が本当に広いんです。どうみせたら一番伝わりやすく統一感があるか。小さなことですが、こういうことも自分たちで変えていきます。」
お店にいるときは、毎日着物なのですか?
着物の種まき / 日本仕事百貨
(2014/10/01 吉尾萌実)
※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。
「姫路店にはレンタルがあるのですが、私はレンタルに思い出があって。姉妹全員がうちで成人式の着物を選んでくださったり、お友達を何人もご紹介してくださったりとか。一時は来るかた来るかた、同じ学校の学生さんだったこともありました。教えてあげようって思ってもらえるお店であることが嬉しいですね。」
大変だったことはなにかありましたか。
「わたしたちの売っているものって決して安いものではありませんし、信用してもらえないと、お客さまも安心して着物を買えないと思うんです。なので、お客さまの心を読んだり、きちっと聞くっていうこと。それは日々研究と訓練だと思いますね。それと、姫路店は、販売だけではなく、レンタルもあるので、ほかの店舗より覚えることがたくさんあります。はじめはちょっと大変かなと思います。」
「あとは年末年始や、成人式などの準備があるので、12月は忙しいですね。そのあとは卒業式の3月。この時期もレンタルや着物の発送準備などで慌ただしくなります。」
これからどんなことをしていきたいですか? 「ほかのお店で成人式の着物を決めてしまったかたが、たまたまうちに来られたときに『ここだったらよかった』っていってくださる方が結構いらっしゃって。まだお店を知らない方がいっぱいいらっしゃるので、まず知っていただきたい。広める取り組みもしていきたいですね。」
どんな人と一緒に働きたいか聞いてみる。
まずは店長の村上さん。
「とにかく素直であれば、あと根性のあるかたですね。」
根性ですか。
「扱ってるものが安いものではないので、言葉遣いや、礼儀作法もそうですし、接客の指導ではかなり厳しいことをいいます。お客さまにいわれる前にそこはしっかり指導します。なので、へこたれない人ですね。」
川端さんはどうですか? 「素直に接客が上手くなりたいとか、教えられたことを吸収したいって思っている人は、成長もするし、どんどん楽しくなると思います。明るく元気な人だったらいいですね。」
着物のレンタルに関しては、いまは広告もほとんど出していないそう。
これからはコーディネートをつくって告知をしたり、新たな取り組みもはじまる予定。接客や販売のみならず、そういったプロジェクトを一緒に考え、積極的に参加してくれる人にもぜひ来てほしいとのこと。
自分自身で着物を楽しむことが、日常で着る着物文化をつくっていく。
まだ着物の楽しさを知らない人に楽しさを届け、着物を好きな人を支えるために、ここで着物を楽しみながら一緒に働いてみませんか?